第八章 『またたきに』

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 極普通に話をする彼らを見て、私は握った裾から手を放し塩瀬さんを見上げると、穏やかな表情をしていた。  いつもと変わらない調子で、特別な好意は感じない。 「威太君も元気でしたか? 最近暑いから、体調崩してない?」 「確かに、今年はかなりの猛暑ですもんね」
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