第八章 『またたきに』
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残された私は、ここ二十分程でいろいろな感情が渦巻いて、黙り込む。 傷つきたくないから、ぼんやりした日常に満足していた。恋に一喜一憂して、振り回されたくなかった。 「行こうか」 再びゆっくり歩き始めた、塩瀬さんの大きな背中を見つめる。 この人は、光じゃない。 私はこの人と、形もなくいつまでもただ会い続けても良いのだろうか。
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