好機到来

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「…なっ」 「ちょっ、七香」 「ゔゔゔー、っ!」 思わず言い返しそうになったけれど、咄嗟に千鶴に口を塞がれ止められてしまった。 「…アホくさ」 「っ!?」 「七香、落ち着いて」 ムキになる私を必死で抑える千鶴の手を振りほどき、呆れた顔で通り過ぎようとする邪魔者Aの腕を慌てて掴んだ。 「何だよ」 「何って…」 近付いて初めて気付いたけれど、この男、かなり背が高い。 百八十センチ以上は絶対にありそうだ。 っていうか、顔は…整って、る。 いや、よく見たら…超イケメン? 冷ややかな視線を向けられてはいるけれど、それでも私の顔面判定レーダーは珍しくマックスを記録。 久しぶりに見たわ、こんな綺麗な顔!! 「おい」 「はっ、はい…」 「用がないなら腕、離せよ。アホがうつる」 …はぁ?今なんと?アホが、うつる?
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