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やっぱりさっきの方が良かったかなぁ…。
午前中はゴロゴロ過ごしていたけれど、せっかくの休日ということもあり、千鶴を連れ出し午後からランチに出かけた。
そのついでにふらっと立ち寄ったのは、流行りの服がずらりと並んだ路面店のショップ。
「ねぇ、千鶴はさっきの服とこっち、どっちが良いと思う？」
フィッティングルームで代わる代わる試着をしていた私がドアを開けるなり問いかけると、ため息混じりに千鶴は言う。
「…どっちも似合ってるよ」
始めはちゃんと見てくれていたのに、試着を繰り返すうちこの反応だ。
「もうっ、ちゃんと答えてよ」
「答えたところでまだ試着するんでしょ？」
呆れた顔で言われ、着ていた服に視線を落とす。
そりゃあ…まぁ、と返す言葉に困ったけれど、流石に一時間これだと千鶴も疲れたんだろう。
「しないしない。これ、結構気に入ったし。値段もお手頃だしね」
「うんうん！いいと思う！」
パッと切り替わった満面の笑み。
ようやく解放された！というような思いが伝わってくる。
とはいえ、今身につけているものが本当に気に入っているかと改めて考えたら、実際のところよくわからない。
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