藍の物語

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そんな私は、深見愛湖(ふかみあいこ)と申します。お父様からはアイと呼ばれております。お父様は小説家です。お母様は私が生まれて間もない頃に亡くなりました、ことの詳細は知りません。 お父様曰く、昔の男に惑わされていたそうです。その男は悪魔らしくお母様に呪いをかけていました。その呪いに心を蝕まれるのを恐れ、お母様はお父様との思い出を胸に、自ら藍色の湖へ消えたのです。 「世界は広大で美しいが危険な呪いもある」とお父様は言いました。その呪いから私を守る為に約束を決めたのです。 ・家から決して出ないこと。 ・お父様以外の人と接触しないこと。 お父様は創り出した楽園に私を閉じ込めました。物心ついた頃から14歳の今まで、一度も家から出たことがありません。
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