13.

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北上は目を見張る。 前触れもなく濁っていく視界。 「嘘って、何ですか」 「だ……って」 「ほら、立って。せんせい」 「あ、うん……っ」 しゃがんだままでいた北上に、相手は手を差し述べてくれた。 それに捕まるために伸ばしたこの手は、相変わらず小刻みに震えていて。 掴む直前で腕を持たれて引き上げられると、そのまま強く抱き締められた。 「迎えに来たよ。北上せんせい」 耳元で囁く声は、2年前より深みが増していて。 回された両腕や触れ合う胸板は、成長期を終えた大人らしい体躯へと変貌していた。 しかも、身長も伸びている。 「あ、きら……っ」 「うん。北上せんせい」 「あき……っ」 「待たせてごめん」 「……っ」 夜が迫り闇が濃くなりつつある夕暮れ。 1度距離が離れると、北上達はどちらからともなく顔を寄せ合いキスをした。
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