13.

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そして1ヶ月後、北上と出会った__。 「……ら、秋良?」 柔らかで控えめな呼び声に目を開ける。 見慣れない部屋の天井と、胸いっぱいに広がる愛しい人の匂い。 「おはよう。秋良」 ベッドに沈みこんだまま自分を見つめ、朝を告げる北上は今この腕の中にいる。 「せんせい……おはよう」 2年ぶりに再会して一夜が明け、サイドテーブルの置時計は正午に近かった。 まさか、高校に入学したばかりの自分が一人の教師と恋人になり、遠距離を経て迎えに行くなと想像もしなかっただろう。 5月に初めて理事長室の前で顔を合わせたあの日、その目の前の男性教師が愛しい存在に変わるだなんて考えもしなかっただろう。 「せんせい」 「ん、何かな?」 秋良は優しく北上を引き寄せると、そのまま抱き締めた。 誰一人として自分達を邪魔しない、穏やかで緩やかな時間。 ずっとこのまま北上の素肌に触れ体温を感じていたいと思うし、待ち続けた日々の苦痛をこのひと時で補うには不十分すぎる。 足りないよ。 「ん……っ!秋良、苦しい……」 とんとん、と胸を叩く北上の手を奪う。 抱き締めるのをやめて解放してあげる代わりに、秋良は相手の体を仰向けにさせて覆い被さった。 見上げてくる瞳は何を察したのか、少し泳いでいる。 きっと"朝からセックスするのか"などと考えているのだろう。 わかり易い表情に、秋良は我慢出来ずに微笑むと恋人の前髪にキスを落とした。 「せんせいに、話したいことがある」 決意と覚悟を、聞いて欲しい。
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