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第1章・死神始めます
300年前下界にて・・・
神城 龍紅 24歳 男 (かみしろ りゅうく)
大手不動産会社の営業部勤勤務
毎日、毎日残業・・・社会人4年目にして身も心もボロボロだ・・・
仕事の終わりはここ1週間毎日12時を超えていた。
いわゆるブラック企業というやつだ。
時には家に帰れず会社に泊まりという時もあった。
「毎日こんな生活だと本当に死にたくなるな、
今日は晩酌でもしてゆっくり休むか・・・」
仕事は終わったものの1つやり残していたことがあるのを思い出した。
「やべ〜・・・明日会議にかける書類の印鑑もらってないや・・・
こんな時間じゃ印鑑ももらえるわけないしどうすっかな・・・」
(きっと半端なく怒られるよな〜・・・明日仕事行きたくねぇな・・・
本当何もうまくいかねぇし・・・)
身も心もボロボロなっていた俺は、【死にたい】という気持ちになった。
いつもの帰宅道・いつもの駅のホーム・このまま身を投げてしまいたい・・・
そう思った時だった。
(お前の願い叶えよう、我の器となれ)
頭の中で一瞬誰かの声が聞こえた気がした。
その時、誰かに背中を押された気がした、
気づいた時には線路の上に横たわっていた。
電車が来た、体は動かない、その時思った。
(やっと楽になれる、解放されたんだ・・・こんな世の中なんもいいことなんて無いんだ。)
俺は自然と目を閉じていた。迫ってくる電車になぜか死の恐怖というものはなかった。
ドン・・・・・・・・・。
そこで俺の24年間の人生が終わった。
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