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⒉転生
「うぅ」
うめきながら俺は起き上がった。痛みはなくなって、ボロボロのはずの服も直っていた。空は一面の青空、どこを見ても地面は草原が続いている。ここはどこだろうか、もしかしかして天国かもしれない。そう思うとなんだかワクワクしてきた。こんな感情久しぶりだ。
しばらく歩いて行くと何か青い物が見えた。一体なんだろう近づくとプルプルしていた。試しに触ってみると、
「ッッ熱!」
急いで手放して指を見ると、火傷をしたようにただれていた。そうだ、この生き物見たことがある。名前は確か……スライム!とすると俺は転生したのか⁉︎とりあえず俺はこのスライムに報復としてけりを入れた。しかし一撃じゃ倒れない。あれ?こういう転生ものってだいたいチート能力とか持ってんじゃないの?そんなことを考えつつも、もう一発スライムにけりを入れた。今度は結構効いたようだ。ひるんでいるうちにもう一発!
(グチャッ)
するとスライムは周りに飛び散ってしまった。
スライムのいたところにぷよぷよした塊がある、そういえばお腹が空いている。匂いをかいでみる、悪くない。試しになめてみる、驚いたことにすごくおいしい。俺は思い切ってかぶりついてみた。ゼリーみたいな味がする。
俺はこの先のことを考えていた。食事はスライムがいるから大丈夫だが、問題は武器だ。こんな魔物のいる世界だ、スライムよりもっと強い敵がいてもおかしくない。素手のままじゃボコボコにされてしまうのは明白だ。
町を探す。やはりこの選択肢しかないようだ。
「歩くか」
そう一言つぶやいて俺はまだ見ぬ町を目指して歩きはじめた。
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