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二十歳
「やだ!司君、変わらない!?」
「そうか。っていうか女子が変わりすぎだぞ」
都会に出ていた仲間だけで集まった居酒屋で、彼らは和んでいた。
過ごした田舎は子供の数が少なく兄姉のように過ごした彼らは都会での苦労を本音で話していた。
「私さ。アイプチで二重にしてたら、かぶれちゃって」
「梓のまぶたは痛そうだな。いっそ整形したほうがいいんじゃ無いか」
「そうしようと思って今バイトしてる」
そんな司と梓に話の中、涼太も苦労していると言った。
「俺もさ。彼女作ろうと思ってハロウィンの時も渋谷に行ったんだけど。結局奢って終わりだった」
「そんなところに行ってムダでしょう?バカだね……」
「じゃあ、どこに行けばいいんだよ!」
この話を唯一カップルの優介と萌子は笑って聞いていた。
「ところでさ。司君ってどうなの?彼女は」
「今はいない。面倒で」
理系の学校には女子が少ないと彼は言った。
そんな司に梓は最近の彼氏の話をした。
「大学生の彼ね、頭が良いから株やってお金持ちなの。でさ、卒業したら結婚してくれって言われた」
「へえ。いくら儲けたんだろうね」
「涼太。梓は騙されているのかもしれないぞ」
しかし、梓は貯金通帳を見せてもらったと言った。
「でも断った」
「「「「えええ?」」」」
「だってさ。株やってるって人は一日中家にいるんだよ……」
食事の世話や相手をするのが嫌だと梓は言った。
「週末に帰ってくるくらいが良いんだよね」
「お前、天罰が下るぞ」
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