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「良いじゃ無いか。お前には優介がいるんだから」
こんな俺様の司に、梓は口を尖らせた。
「あのね。私のブーケを司君にあげようか?そうしないと一生結婚できなさそうだもの」
「梓、悪いわね。そうしてあげてくれる?」
「そんなの要らんぞ。あ。来た……」
この声にパーティー会場の照明が暗くなった。
『ウェルカム、トゥ、ワンダーランドランド!ご結婚された新川ご夫妻。ならびにご会場の皆様、本日は大変おめでとうございます。ワンダーランドよりお二人の幸せを願い花束のプレゼントがございます……それではどうぞ!』
ハイテンションのガイドの声でドアにパッとライトが付き、そこからウサギに扮した役者が小走りに入ってきた。
『急がなきゃ!急がなきゃ!新郎新婦がお待ちだ!』
彼は胸に下げた時計を手に取って見た。
『うわ!大変だ、時計が止まってる!?この、ポンコツめ!』
そして時計を直そうとバンバンと叩いているのでこれを見た会場の人達から笑いが、こぼれた。
『どうしよう?ハートのクィーンに叱られる。どうしよう……』
するとそこに彼女が登場した。
わっと歓声が沸いた。
『まあ、ホワイトラビットどうしたの?』
『アリス。遅刻なんじゃよ』
『ここは平気よ。さあ、お行き』
するとウサギ男は会場を一周して退出した。
『お待たせしまた。時間の国のアリスが、お二人にお花を届けに参りました。どうぞ』
アリスに扮した麻友はにっこり頬んで、2人に歩み寄った。
「優介君、萌子。おめでとう!」
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