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「は?護衛依頼?」
「そう、橋澤晃一、って聞いたことある?」
「橋澤⋯⋯?」
「まあしぃは興味無い分野か。大手キッズメーカーの社長さんなんだけどね、その娘さんがどうにも憑かれやすいらしくてね〜。今までは毎度毎度除霊してたらしいんだけどここらで1回根本原因を探ろうって話」
「それは護衛依頼とは言わないでしょう。そもそもなんで僕なんですか、原因を探るなら僕じゃなくても⋯⋯女性相手に話を聞くなら東さんの方が余程適任でしょう」
「あずきは明日から別件」
「それなら仁さんが⋯⋯」
「僕も午後から南雲代表について出張」
「遠野と水瀬⋯⋯」
「先方はできるだけ少人数を希望。君ならある程度1人で対処できるでしょ?そもそもうちの班じゃしぃが1番感知能力は高いんだから」
「⋯⋯僕じゃ相手を不快にさせてしまいますよ」
「大丈夫、しぃはやればできる子だから。にこにこ愛嬌よくしろとは言わないよ、普通に話聞いて原因突き止めてくれればいいんだって。1、2週間して何もつかめなければヘルプ行くから」
「⋯⋯僕の逃げ道全部塞ぎましたね」
「安心して、橋澤夫妻も娘さんもとってもいい人らしいから」
にこにこ笑う顔にわざとらしく息を吐く。
最近オーバーワークがマシになったぶん強かでムカつく。
「⋯⋯分かりましたよ。行けばいいんでしょう」
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