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私が、唖然としてその場に突っ立っていると…、
「見てぇ…あそこに立ってる子…ウンチ塗れなのに、結構美少女だよぉ…」
「良かった…あっちは『狩り』除けだけど…オレらにとっては…」
「見たとこナカにまで塗ってるみたい…ざぁんねんだなぁ…そうじゃなかったらあたしが舐めてあげてたのにぃ…」
臭いで私の存在に気付いたのだろう、情事中の数名がこちらに注目し始める。
皆、目を虚ろにしながら笑っており、
「待ってました」
と言わんばかりの表情で、私を見つめていた。
「…!」
私は恐れで慄いた。
何故、この子達がこんな所で情事に明け暮れているのか、それはある程度予想は付く。
けれど、このままでは『奴ら』がやって来て、皆殺しにされてしまう。
何とか…何とかしなければ…。
「…何やってるの…早く逃げてっ!!」
私は恐れつつも、ここにいる全員に呼びかけた。
この子達は、今の姿でいる事自体自殺行為なのに、こんな所で集まっているなんて常軌を喫している…今すぐこの場から離れさせなければ…。
「こんな所にいたら、あいつらに…鴉狩りに殺されちゃうんだよ…そんな事になったら、お父さんやお母さんが悲しむよ!?」
私は一人一人の下に駆け寄り、どうにか説得しようとした。
汚らわしい光景を目の辺りにしたショックもあったが、それでも彼らを死なせたくなかった…。
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