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「真帆クリスマスどこ行く?」
レントくんがそう聞いてくれたのはクリスマスのちょうど一週間前のことだった。
「遊園地……は、どうかなあ」
遊園地なんて子どもっぽくて嫌がられるかなと思ったけれど、レントくんは私がチケットを見せると「ふーん。面白そうじゃん。イルミネーションもやってるみたいだしちょうどいいな」と言ってくれた。
実はこのチケットはくるみとさっちゃんが私の為に用意してくれたものだ。
この遊園地には『観覧車がてっぺんに止まったところでキスをしたカップルはずっと別れない』というジンクスがある。
子どもっぽいおまじないみたいなジンクスを真に受けるほど、私だって子どもじゃない。
でもそれでもそこに縋りたくなってしまうほどに私は未だに自信がない。
レントくんの隣にいるのが私でいいのかなってことに。
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