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子どもっぽいかなと思っていた遊園地は、ナイト営業の時間だからかカップルだらけだった。皆周りの目を気にすることなく、手を繋いだり肩を組んだりくっついている。
ライトアップされている観覧車も人気で乗るには列に並ばなければいけなかった。
「とりあえずお化け屋敷でも入っとく?」
「な、なんでお化け屋敷……!?」
「冗談だよ。ツリー見に行こうぜ」
レントくんが自然に手を差し出してくれるから、私はレントくんと手を繋ぐことができた。
それはそれでとろけそうに幸せな気持ちになるのだけれど、ここは観覧車に乗りたいって言うチャンスだったんじゃないだろうか。あっさり逃してしまった。
「恋って難しい……」
「何言ってんのさっきから」
数学の問題なら色々な解き方で正解にたどり着けるのに。
私にはこの問題をクリアできそうにない。
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