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だけど、NOが言えない性格が災いして、強引な相楽さんに押し切られてしまった。
電源を入れてどんなものか確かめたら引き取ってもらおう。そうすれば相楽さんだって納得するのだから。
どうして誕生日にこんな思いをしなくてはいけないのかと落胆しながら、言われた通りに背中の真ん中にある小さな黒いボタンを押した。人形だと何度説明を受けても、見た目は普通に人間なので触れるのが怖かった。
一旦電話を切り、しばらく待ってみたけれど、特に何も起こらなかった。
壊れてるのかな? 箱から出さなきゃいけない? 足元に同封されていた説明書を取り出して、読んでみることにした。
”はじめに” と書かれたページを読み進めていると、何やらビニールの音がした。
「え?」思わず振り返ったけれど、特に何もないようだった。
精巧な人間の姿をしているというだけで、本当に気味が悪い。
ホラー映画が苦手で、チャッキー人形の話とか本当に大嫌いだった。
そんな私の家に、こんな人形がくるなんて耐えられない。
「えっと……箱からの取り出し方? 取り出すのもやり方があるんだ」
説明書きと画像を見ながら、箱から取り出そうと振り返った瞬間、私は何秒か心臓が止まった。
「あぁ……あああ……!!」
本当に驚いた時は悲鳴なんて上げられない。顎が外れたみたいに口がパクパクして上手く動かない。
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