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「ほ、他に方法ない? 電源を切ってって言ったら、自分で切ったりしないの?」
「人工知能を搭載してるから、言葉も覚えるし、他の電化製品と連動させてエアコンのスイッチを入れたり、電気を消したりはできるようになるけど、電源だけは自分で入れたり切ったりできないようになってるの。そうじゃなきゃ、勝手に動き出すでしょ? それこそ、ホラーじゃない?」
人の気も知らずに、相楽さんは暢気に笑っていた。お陰で、こっちはもう充分ホラーなんですが。
このまま怖がっていても始まらないし、これ以上人形に振り回されるのはたくさんなので意を決して電源ボタンを長押しすることにした。
前が見えないと首を振っている人形にじわじわと近づいていく。そのうち、首を振っていたせいか、ビニール袋がずり落ちた。
怖いから、顔は見たくない。目を伏せようとした私は、一瞬で体が固まった。
「……陽介……さん?」
その人形は、陽介さんにそっくりだった――。
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