Angel's arrow〈天使の矢〉

☆☆☆

「見つけた？リシュ？」
「見つけた、あの人」
「ほんと！どれどれ、ほんとだ、なんか不幸そうな顔してるよ～。仏頂面で眉間に皺よせてる。目の下の隈もひどいねえ」
「あの人を幸せにしたい」
「しよう、しよう！じゃあ、ポーンって僕が先に矢を撃つから＂弓＂貸して」
「ダメ、私が先に撃つ。でももう少し見てから」

なんだかリシュの顔から笑みが消えていますね？私はそれが気がかりですが、ソルは気づいていないようですね。

「でもさあ、どうしてさっさと来なかったの、日本に？見つけてたのに。誰かが先に来てたらどうするつもりだったのさ」
「ファーザーに委ねた」

えっ？私にですか？

「ファーザーに？」
「うん。もし最後になって日本が空いてたら、ファーザーが私に行きなさいって言ってるのかもしれないって。あの人のところに」

いや、私は言いませんよ。困っている人に手は差し伸べますが口は出しません。

「そっかぁ、じゃあファーザーが応援してくれてるんだ！」

いえ、ソル。エコひいきはしません。

「とにかく、いつ？いつ打つ？」
「もうちょっと様子見てから」

それにしてもリシュ、笑顔が少なくないですか？君らしくなく。