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「……いつかクリスタルに行ってみたいなぁ」
ため息と一緒に呟くレム。
「どうして?」
「……欲しい物があるの」
右に目を背けて恥ずかしそうに囁いている。
「なにが欲しいの?」
「……誰にも言わないでね?」
「言えないよ…」
「そうだった!」
あまり笑えない冗談を言いながら欲しい物を言ってみる。
「あのね…オルゴールが欲しいの」
「えっ、オルゴール?」
「うん」
「オルゴールが欲しいのか……。どうして?」
不思議そうに彼が聞く。
彼の国ではよく目にする品なのだろう。
でも、レムにとっては夢のような物なのだ。
音を閉じ込める事の出来る不思議なもの。
けど、それ以外にも理由はあった──。
「……」
自分も欲しいけど、もう一つの理由は……。
顔を下に向けたレムに、マリンは腕を伸ばして見せた。
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