届けと祈ってるの

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 帰り道、先輩が何を書いていたのかが気になって、僕は街灯の下でスケッチブックを開いた。すると、今日の課題だった檸檬と林檎を描いたページに、いいところと悪いところが事細かに書かれていた。そのアドバイスを僕はすべて飲み込んだ。その通りだと思った。  そしてその近くに、こう書かれていた。 ――もっと声を聞いて描いてほしい。  先輩が伝えたいことがうまくわからなかった。それでも僕は、その言葉を心に留めた。    ◆ 「凪ー、いるー?」  突然の声がして、僕は驚いてドアの方を振り向く。そこには、ポニーテールを揺らす由紀の姿があった。急いで自分のスケッチブックを閉じ、カバンにしまった。
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