届けと祈ってるの

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「いるよ、どうしたの」  僕はため息をつきながら答えた。由紀は僕のたった一人の幼なじみだった。小学校、そして中学でも今までずっとクラスが一緒なのだ。そしてあまり関わりたくない人の一人でもあった。由紀に絡まれてよかったことなんて、今まで一度もなかった。 「ごめんごめん、あのさ、私の楽譜持ってない? 間違えて入れちゃったかもしれなくて」  僕は仕方なくカバンの中を大きく開く。すると見慣れないプリントの束があった。 「これのこと?」  僕がそのプリントの束を手に持つと、ありがとう、と言って由紀はこちらに駆けてくる。 「これがないと練習できないとこだった。ありがとう!」  そう言って、由紀はプリントを受け取った。
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