遠距離恋愛

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遠距離恋愛

遠距離恋愛 ちょっと前なら想像もできなかっただろう。 いかに電脳世界が発展しようとも、人と人との営みであることに変わりはない。 サーバー空間で世界中どこの誰とでも、自分の望む姿で出会うことができるようになって久しいが。 リアルで会ったことの無い相手との結婚自体はもはや珍しいことではない。 それでも人付き合いに苦手意識を持っていた僕がまさか結婚するなんて。 その娘は僕の話を何でも聞いてくれた。 とても楽しそうに聞いてくれる上に、好みまで似通っているようだった。 この娘しかいない、僕はそう確信していた。 家族に報告しようと浮き足立って部屋を出るや否や、同じく自室から出て来たところであろう兄と遭遇した。 僕が口を開く前に、興奮冷めやらぬまま兄は捲し立てる。 「聞いてくれよ!今さっき結婚を申し込まれたんだ!いやー頑張って来た甲斐があるよ。自然な会話を行える人工知能の開発を!」
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