もう会えないけど

1/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「もー、急ぎなさいよ」 「わかってるよ。でもお前もお出掛けの前とか遅いじゃん。言える側じゃないだろう?」 「いいじゃんよ。とにかく行こうよ」  そんないつもの会話。  一見、とても馬鹿馬鹿しく感じることさえも、俺にとっては充実したものだった。  今の俺に信じられるのは、こいつら厳島鞠桃と坂谷糸葉だ。  偽りの友達。俺には洞察力が無いから分からない。ただ、今言えるのは、こいつらなら一生いてもいいかなって、いたいなって思えることだ。だから俺は言う。 「行こうよって」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!