私はあなたを大好きだけど、あなたも私を大好きとは限らない。

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航太は高校の頃の同級生で、私が彼に初めて告白をしたのは二年生の時。 当時の彼は、まだ誰とも付き合ったことはなかったのに、私はフラれた。 友達以上の気持ちにはなれないという、ベタな理由で。 それが第一回目の失恋。 その後、航太に初めての彼女ができた。不愉快なほどに、可愛いらしさ全開の女子だった。 けれど、ふと私は思った。 そうか彼は、あーゆー感じが好みなのか、ならば見た目だけでも同じにすれば、振り向いてもらえるかも、と。 単純な私は、見た目を真似ることでリベンジを図った。 服装、髪型、化粧、それらをできるだけ似せて。 当然すぐには相手にされなくて、でも別れたあとならいけると思った。 幸いにして、二人は三ヶ月ほどで破局。 「航太、私と付き合って」 「今はそんな気になれない」 弱まっているところを付け込んでまでも、呆気なく敗れた。 二回目の、告白と失恋。 高校卒業後は、彼と同じ大学に入った。 もちろん私は意図的で、親友の結子も一緒だったのは、彼女の純粋な進学先だったからだ。 在学中の航太は、四人の女とくっつき、短い期間で別れるを繰り返していた。 それだけモテたという訳だけど、けして遊び人でもいい加減な男でもないのに、どうしてか長続きのできない人らしい。 そして交際相手のタイプも、毎回コロコロと変わる。その度に私は変装のごとく、全身を真似した。 別れたという情報を手に入れると私はすぐに、 「航太、今度こそ私と、」 「無理」 彼の返事も、次第に雑になっていった。
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