大好きの行方

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【side_灯里】  正輝と将来の約束をした。  プロポーズなんて素敵なシチュエーションはなかったけれど、今はとても幸せで満たされてる。  きっかけは初めてした大喧嘩だった。 「味が薄い」 「だからってそんな言い方をしないで」 何度か正輝に手料理をご馳走する度に感じていた不満が爆発。もうちょっと優しく言って。 「だって、これを一生食べるんだろ? 俺」  え、あれ、それって――  「灯里の作るご飯、美味いよ」 「その台詞を先に言ってよぉ……」 泣き出した私を正輝が抱き締めてくれた。  結局「薄い」騒動はそれで終了。明るい光の下でも私は正輝に告げないと決める。  お爺さん、お婆さんになったら。だってきっと笑い話になるから。  婚姻届を取りに行く。私は正輝の前で堂々と生年月日を記入した。 「誕生日に入籍しよっか」 正輝は届けを見ながら笑ってた。言えない事や迷う事もあるけれど、やっぱり貴方が大好き。  でも、なるべく頭上の光は遠い未来でありますように。素敵な横顔に内緒で微笑んだ。 【完】 
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