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名乗りが終わると同時に、おれは魔法少女シューティング☆マイに向かって右目を見開き言う。
「イグニッションバースト!」
おれの眼孔が発光、赤い熱線がマイに向かって放たれる。マイはそれを両手の人差し指を向けたまま側転、イグニッションバーストを躱し――
「シューット!」
マイの指先から光弾が射出され、おれに向かって来る。すさまじい弾速。おれは身を捩り体の軸をずらす。2つの光弾は、おれの揺らめく炎の鎧を掠め、後方の地面を抉り砂柱が立った。
「バン! バンバンバン――」
マイの怒涛の光弾連射。
対しおれは熱線で応戦。
「はっ! おおおおおお――」
マイの光弾とおれの熱線との乱射戦。土は抉れ、川の水は蒸発する。水蒸気と土埃で辺りの視界が悪くなる。いつの間にか弾幕は止み静寂が訪れていた。おれは神経を研ぎ澄ませ気配を探る。マイはどこだ?
土煙と、水蒸気のせいで土独特の匂いが充満している。嗅覚と視覚が封じられている中、頼りなのは聴覚。しかし、足音は聞こえない――が、急に。突然足元からマイの声が聞こえた。
「ガンアーツ零式」
マイの声に反応し足元を見る。そこには赤い髪が土煙に紛れて揺れていた――気付きと同時に拳がおれの顎目掛けて飛んでくる。右拳によるアッパーカット。
俺はすかさず頭を後ろに反らす。マイの拳は空を切った――が、おれの腹部に衝撃が走る。激痛と共におれは後方に押し出された――マイの左の人差し指はこちらを向いていた。
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