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「どう? イグニス。負けを認めてもう悪さしないのならこれ以上は――」
負ける? このおれイグニスが? ブリザードが大幹部の座に居座り続けているのに? 魔法少女たった1人に負けを認めるだと?
「最終段階限界突破。点火」
おれの熱量が急激に上がる。同時に身体のあちこちが、ぶちぶち音を立て悲鳴を上げている。負けを認めるくらいなら――身体機能のいくつかがぶっ壊れた方がましだ。せめて、この魔法少女はぶっ倒す。
「嘗めるなよ! 小娘が!」
一瞬。一瞬でおれはマイの背後に回る。
「え?」
何が起こったか理解出来ていないマイは、おれの気配を頼りにこちらに振り向く――その前に。
おれの拳がマイの背中にめり込む。マイの背骨は折れそうな程、くの字に曲がり吹っ飛ぶ。更に追撃。吹っ飛んだマイを追いかけもう一度拳を振るう。が、マイは飛ばされながらも紙一重で躱す。距離が開いたところで。
「イグニッションバースト」
「きゃあああ!」
ようやく、おれのイグニッションバーストがマイに直撃した。マイの魔法少女服はボロボロになり所々肌が露出している。何とか立つことは出来ているようだが、膝は笑い肩はだらしなく垂れている。
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