『we're Men's Dream』 -type C- 1

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『we're Men's Dream』 -type C- 1

 十月のはじめ、クルマのトラブルで、山奥で遭難しかけていたウチら三人のバンド・メンバーは、たまたま居合わせたおねえさんに助けてもらうことになった。山小屋に案内され、風呂まで用意してくれた。五右衛門風呂というヤツ。辺りには薪が燃えるいいにおいがただよい、朝もやに溶け込んでいく湯気もあったかそうだった。  たまらなくなったウチはデッキに衣服を脱ぎ散らかして、さっそく入浴。が、五右衛門風呂のフタがウチの体重ではうまく沈まない。思わずひっくり返ってしまい、へりに頭を軽くぶつけ、朝日に思い切りお尻をさらしてしまった。見かねたおねえさんが、一緒に入ってくれることになる。ふたりいっしょにフタへ乗っかり、ゆっくりと風呂に沈んでいく。湯はちょうどいい加減の温度で、最高に気持ちよかった。車内泊で芯まで冷え切った心と体が弛緩する。 「うー、しみるっ、あったけー」気持ちにゆとりが出てくると、次第におねえさんのDくらいあるおっきな胸が気になってしょうがなくなってしまう。「ん? おねえさん、胸、でかいっスね……。触ってもいい?」といいながら、お湯の中で浮いているおねえさんの胸に手を添えて軽く持ち上げる。不意をつかれたおねえさんは、思わずに変な声を出した。かわいい。ウチはおねえさんに挑発的な目を向けながらいう。 「わぁ、思った以上の感触! やっこいっすね~。……ウチのも触ってみる?」  おねえさんは、ちょっとうろたえながらも、遠慮がちにウチの胸をちらちらと見る。 「……あ、あなたのも……いい形してるよ」  おねえさんはそう言いながら、両手をへりに載せ、目を閉じる。動揺を抑えるために落ち着こうとしているみたいだった。ウブだなあ。そういえば、ウチもあの時、目を閉じて心を鎮めていたっけ。
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