零話

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それでも福間さんは私が分からないと聞くと、溜め息をつきながらも丁寧に教えてくれた。 「はい、ここまでメモ出来た? 見せて?」 そう言って私のメモに目を通して確認してくれる。 「うん、メモは大丈夫みたいね」 「すみません」 「じゃあ、お昼休憩にしましょ」 福間さんの気も少し緩んだのか、張り詰めていた緊張感が解けていた。 「ほっ――――」 ずっと息を吐き出してなかったみたいに身体の中から空気が出て行く。 ふと見えた時計の短針は『3』を過ぎていて、それを認識した瞬間お腹が鳴った。
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