唐揚げ

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俺は今背筋を伸ばして理事長室のソファに座っているのだが。 「やーん!萩ちゃん久々じゃなーい?!」 「お久しぶりです、(ミナミ)さん。」 「なになに、もしかして会いに来てくれたのぉ?!」 ソファはテーブルを挟んだ向かい側にもあるというのに何故か俺の隣に座って横から抱き着いてくるこの人。 意外にもここの理事長をしている双葉(フタバ)(ミナミ)さんだ。年齢は不詳。 「手を怪我してしまったので治るまでのことを相談しに来ました。」 「やーんアタシを頼って来てくれたのねぇ!嬉しいわぁっ!」 この通り、理事長はこういう人だ。あまり人前では出ず、いつの間にか理事長室に居たり居なかったりと不思議な人だった。 美容に関しては人一倍努力しているらしく、肌はツルツルで綺麗に鍛えられた体、艶のある金色の髪は肩まで伸ばしている。どこかの国のハーフだと言っていた。 黙っていたら綺麗な女性に間違えそうだ。 「あの、少し離れていただけませんか。」 「やーよ、萩ちゃんを堪能させてよぉ!最近ヤな事ばっかなの!」 「わかりました。」 顔がマジの顔をしていたから断れなかった。びっくりした。声はきちんと成人男性だし、誰かが代わりに喋っているんじゃないかってたまに思う。 「…それより、萩ちゃんが怪我ねぇ…」 「すみません、不注意でした。」 理事長はいいのいいのと軽く許してくれた。 ふわりと香る甘い匂いは多分理事長の香水だ。美意識が高くてすごいなぁと尊敬する。 「んんー、アタシの隣にいるっていうのはどう?」 「すみません。」 「やーん!」
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