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庶民の味方、購買でも長テーブルを出してそこで販売しているのではなく、一角にきちんと場所が設けられていてカウンター越しでやり取りする。
小さなバーのような、少し大きな出店のような。
カウンターにパンや弁当がズラッと並ぶとこれまた全部美味しそうですごく良い。
「よいしょ…」
カウンターの上にケースを置く。
まだ購買のお兄さん、東条くんは来ていないようだ。
体調崩していたらどうしよう。仕事を掛け持ちしてるみたいだし、とても心配だ。
これから来るのかもわからずケースをこのままにしていいのか悩む。東条くんに連絡してみようかな。
蓋を開けてパンの香ばしい匂いを嗅ぐ。
それにしてもこの学園で3桁の数字が見れるとは。
俺の金銭感覚もおかしくなりそうだ。きっと庶民のくせにって怒られる。
「〜…!」
「……〜!っ…!」
「…ん?」
静かだった空間に突如遠くから地響きのような音と誰かの話し声が聞こえてきた。
その音はどんどん大きく、こっちに向かって来ている。
前に動く人影。目を細めて凝視した。
ドドドドド…と今から大きな災害が起こるかのような…
「…え、」
「失礼っしまっ…する!」
勢いを落とすこともせず正面から走ってくる人に手首を掴まれ半回転、そのままズルズルと引っ張られた。
マッスル…?なぜ俺も走らされているんだ。
この声、確かにあの人の声なんだけど、顔がどちら様。
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