お肉

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「えぇ?!東条さんが倒れた?!」 「そう。だから保健室に運んだけど…大丈夫かな。」 「心配っスね…」 「木戸崎先生もいなかったからもう少ししたら様子見に行ってみるね。」 東条くんが倒れたのだ。 急いで東条くんを背負って保健室のベッドに運んだが、顔が真っ青になっていた。 幸い倒れた時に俺がクッションになって怪我はなさそうだけど… もう、すごく具合が悪そうで。 熱を測って、タオルで汗を拭って、枕の横にスポーツドリンクを置いてきた。 うーうー、と苦しそうに唸りながら眉間にシワを寄せて寝ている東条くんを1人にはできないから、木戸崎先輩に連絡してすぐ来てもらうようにした。 「それより…東条さんが転入生と接触、っスか。」 土佐谷くんがぽつりと独り言のように呟いた。 顎に手を当てて何かを考え込んでいる。 「ほんとに偶然だったんスかねぇ…転入生。」 え。 ぶつぶつと何かを喋りながら準備に取り掛かった土佐谷くん。 俺は深く考えるのをやめた。あまり理解できていないからである。
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