「内緒のゲーム」

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「内緒のゲーム」

「で、断っちまったのか?今日の飲み会。」 部屋着に着替えながら、先輩が言った。 「はい。僕 お酒飲めないですし、前みたいに絡まれるの、ちょっと嫌ですし・・・」 「あー、確かに部長、酒が回るとすぐに若いやつに絡むしなー。お前ターゲットにされてたし(笑)」 去年の忘年会で、自分は見事に部長のテーブルと一緒に配置されてしまい、悪酔いをした部長に1時間みっちり人生論を説かれたのだった。 『俺が若い頃はー・・・』と、散々言っていたが、正直今と昔は違うし、部長が飛び出るような経歴を持っているかといえばそうでもないので、社交辞令で聞いていた次第だ。 「何で助けてくれなかったんですかっ!」 「悪かったってば~(汗)今回は俺もパスしたしさ!さきいか食う?」 「あ、ありがとうございます。」 「これでチャラね。」 「何でですか(笑)」 久しぶりに誰かにツッコミを入れた気がする。 先輩は悪戯に笑った。 「そ・・・それに・・・」 「それに?」 「・・・今日は・・・その・・・この間のお願い・・・叶えてほしくて・・・」 自分が赤らむ顔を隠すようにうつむくと、先輩が近づいてきた。 「だから今日  ここにいるんだろ?」 今   自分は 再び先輩の家にいる。 今度はスーツじゃなくて・・・普段着で。 定時退勤日であったことが 救いだった。 「じゃあ先輩・・・聞いてくれるんですか?お願い・・・」
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