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「じゃあ・・・横になって・・・下さい・・・」
・・・どうしよう。
まさか本当にやるなんて・・・
「あいよっ」
先輩は、言われるがままソファーに寝転び、両手を上に上げる。
よし。まずは 落ち着け 自分・・・
今まで、動画や小説・・・それに経験までしてきた。
大丈夫。大丈夫・・・。
「後ろ手じゃなくていいの?」
「へぁっ?!」
考え事をしていた時に話しかけられたものだから、間抜けな声が出てしまった。
「手。後ろで縛ったほうが抵抗できないんじゃね?」
「横になったときに、背中がしっかりついていないと、痛いと思うんで・・・」
「何と優しい配慮(笑)」
先輩がニコッと笑う。
先輩を見下ろす形で眺めると、いつもと違う立ち位置にやはり違和感を覚えつつ、鼓動が徐々に高揚していくのが分かる。
緊張する手で、縄を伸ばす。
「じゃあ、縛りますよ・・・先輩・・・」
「あぁ・・・頼んだ。」
先輩は、大きく息を吸うと、瞳の表情を見られないようにするためか、目を閉じた。
自分も こっそり深呼吸をする。
「あ、そういえばさっ。」
「うわぁっ!?!?」
「・・・え?どした?」
「んもぉ先輩っ!!びっくりするじゃないですか!!やめてくださいっ!!」
「えー だって、お前人のこと縛ったことあんの?」
「・・・いや、ないですよ。」
多分 あるほうが特殊です・・・
「分かる?縛り方。」
「・・・やってみます・・・」
先輩が再度目をつぶると、俺はその両手に、縄をかけた。
ドクンドクンと心臓音が我が身を貫く気がする。
呼吸が荒くなるのを抑えて・・・
緩めに括ると 両端をゆっくりと引き 結びを固くしていく。
「・・・んっ・・・」
先輩の体がピクッと動き、かすかに声が漏れた。
「大丈夫ですか・・・先輩・・・」
「ん、大丈夫・・・ごめん・・・///」
先輩の嘘つき
寝っ転がってるから分かるけど
胸元が さっきよりもはやく上下してる。
2、3回同じことを繰り返せば 腕の自由は何となく奪えた。
「やっべ・・・結構動かない・・・」
目を開けた先輩は、腕をギシギシ動かした。
「痛くないですか・・・?先輩・・・」
「ん・・・まぁ・・・でも、なんか変な感じする・・・」
「な、何がですか?」
「お前がそっち側にいるのって、新鮮だなぁーって・・・今更だけど。」
自分だって、こんな先輩初めて見て・・・そう思った瞬間、体の体温が 一気に上昇する。
先輩を・・・縛った・・・
自分の手で・・・
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