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変わらない心
❋
あれからなんとなく東野くんとは気まずくなって、
ギクシャクした関係のまま卒業した。
そして、偶然か、運命か。
僕と東野くんは再会した。
「悠、だよな?」
「東野くん?」
「こんな所で会うなんて、思わなかった」
「うん」
隣の人って、そういう人だよね。きっと。
「雰囲気変わったな」
「東野くんは、変わらないね」
「よく言われる。あ、大学の同級生で俺の彼女」
「……はじめまして」
やっぱり、そうだ。
「僕、もう行かないと。ゆっくり話せなくてごめん」
ねぇ、東野くん。
僕もあの頃から、変わってないよ。
「悠」
彼の声は、出会った日からずっと変わらず、
僕の心を揺さぶる。
「また、会おうな」
ありがとう、東野くん。
君に出会えて、よかった。
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