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夏休み(小学生時代)
二十歳を超えると、よく学生時代を思い返すようになった。
今の季節は冬だが、不思議と夏休みを思い出す。
中学生、高校生の頃は部活に勤しんでいたので、どんな夏休みを送っていたのか想像がつくが、小学生のときはどう過ごしていたんだろう。
小学生の夏休みといえば、遊ぶ以外のイベントがないように思う。とにかく遊んで、遊びに遊んで、溜まりに溜まった宿題を8月末にするのが一般的だろう。
ただ、私はそんな一般的な夏休みから外れていた気がする。なぜなら、小学生ながらインドア派だったからだ。さらに、インドアはインドアでもゲームとかしないタイプの、家で何をしているのか全くもって分からないタイプの小学生だったのだ。
みなさんは『1行日記』なる宿題をしたことがあるだろうか。
約40日ある夏休みのできごとを、毎日毎日1行で記していくものだ。
前記した通り、人に語る程のイベントがない私は、いったい何を書いていたんだろう。流石に夏休みが40日もあって、イベント0っていうことは無いが、きっと35日ぐらいはフリーだったはずだ。
何を書いていたかは覚えていないが、悪事をはたらいていたことは覚えている。
例えば、家族で祭りに行ったとしよう。祭りではフラフラ歩きながら夜店を眺めたり、花火を見たりすることだろう。
これを『1行日記』に書く場合、夜店を眺めた話と、花火を見た話は一緒に書かなければならない。
私は小学生ながら思った。
これ、もったいなくないか?と。
せっかくのエピソードを1日で固めてしまっていいのだろうか。否、良くない。ということで、私はこういったエピソードは小分けで出すようにしていた。『1行日記』の概念を大きく変えた瞬間であった。
ただ、そんな姑息な手段を使っていても、35日フリー人間ではエピソードが無い日も出てくる。
そんなときは、あったままを話す。
「今日はずっと寝ていました」
休日のお父さんか。お前は。
そうだ、私はずっと寝ていたのだ。
寝て、起きて、昼ごはん食べて、寝て、夜ご飯食べて、風呂入って、テレビ見て、寝る
これこそが私の日常だった。
今、40日間夏休みがあったとしても同じことをするだろう。
私は何も変わっていなかった。
余談だが『1行日記』って、Twitterに似ていると思う。
あれはきっと、将来のツイート力のための宿題だったに違いない(曲解)。
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