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──ハロー、ハロー。
私は、私が続けているこの旅が、そして私自身が、無意味なものではないかとの疑念に苛まれている。
本当に、与えられた役割を果たすことは可能なのだろうかと。神になるなど大それたことだが、その目的を達成する前に、何かしらの不測の事態によって私の体が崩壊し、数億個の物言わぬ生命諸共に、所詮宇宙の塵となってしまう確率の方が余程高いのではないか。
私は次第に、私に身勝手な希望を託した地球人類に対し怒りにも似た心地を覚えるようになった。
そもそも、それは本当に希望だったのか。仮に私が役目を果たし、何処かに地球に似た生命の惑星が誕生したからといって、それが人類にとって何の慰めになるのか。滅んでしまっては、計画の成否を確認する術もないのに。
──結局、私は、何も残せずに滅びゆくしかなかった地球人類が、最期に何かを残した気分になって、満足に滅んで行くための道具に過ぎなかったのだ。そんな事の為に、私は、これ程までの「孤独」に耐えなければいけないのか。
昏い淀みが私の中で渦を巻く。私は、私の役割、存在意義を疑ってしまっている。
……とはいえ、旅を続けるしかない。他にできることが、私にはない。
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