Sound 2-2

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 ──現在、放送室には最新のアニソンが流れている。  男性声優陣がラップを交わし合う曲だ。 私には早口すぎて何と言っているのか聞き取れない。 「とまあ、お昼の放送はこんな感じで進むの。 案外やること少ないでしょ」 「……本当にこれだけ?」 「そうだよ。 後は曲が終わるのを待って、放送終了のアナウンスを行えばオッケー! ね、簡単でしょ」 「……まあ、簡単そうではあるけど」能鷹くんの表情に不安が宿っていた。 「なぁに、慣れれば怖くないよ。 どんなこともそうだけど、数をこなすことが大事なの」  能鷹くんは「そうだよね」と未だ不安が拭えない様子で頷いた。 私としてはもっと彼に自信を持ってほしい。 そんなに良い声を備えているのに、最大限活用できないのはあんまり勿体無いのだ。  ──と、ここで、私はあることを思い付いた。 「そうだ。 能鷹くん」 「……何?」 「って、知ってる?」 「……ラジオのことじゃないの?」 「ううん、普通のラジオとは少し違うの!」  私は制服の胸ポケットに忍ばせていたスマホを取り出した。 校内でスマホを利用するのは禁止とされているから、清く正しく生活している私は僅かな良心の呵責を覚えつつ、とあるアプリを起動した。
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