Sound 2-2

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 その日の夜、私は勉強のお供にラジオアプリを起動していた。 平日の昼に比べ、夜の方が圧倒的に配信の枠は存在している。 ざっと百以上はあるんじゃないだろうか。  私は特に推している配信者はいないので、が来るまで適当な枠に入っていた。  現在、私の鼓膜にはアコースティックギターの郷愁的な音色が震えていた。 この配信者──ユウと名乗った──は、弾き語りを行っているところである。  叙情的に言葉を紡ぐ声がどことなく能鷹くんに似ていて、私はすかさずフォローをした。  きっと、能鷹くんが歌ったらこんな感じなんだろうなぁ。  つい、想像してしまう。  よもや彼本人なのではと思ってしまうくらいだ。  いや、本当に能鷹くん自身なのでは?  ──と、想像があちらこちらへ膨らんだところで、時間はやって来た。  私は枠を退出し、タイムラインから能鷹くんと思わしき枠を探す。 画面をずっと下の方へスクロールさせると、『ノウタカ』のユーザー名で開かれている枠があった。 「これだっ」  私は期待に胸を躍らせながら枠に入室した。
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