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「凄い。 凄いよこれ」
「だよね。 鳥肌立っちゃった」
「本物に昼の放送をしてる男の子の声なの?」
「でもこれで、雰囲気ばっちりだよね」
「今年はわたしたちが優勝するんじゃない?」
「その可能性絶対あるよ。 え、ヤバいんだけど」
確信や賛美へと、姿を変えていったのだ。
私は彼女らの意見を聞きながら、自分のことのように胸裏に喜びを宿した。 褒められているのは私ではないのだけれど、この声を発掘したのは私なのだ。
あの日、踊り場でぶつからなければ一生掘り起こすことの出来なかった鉱石。 初めこそ鈍色の輝きであったが、日を重ねるごとに磨きがかけられ、今ではダイアモンドに勝る勢いではなかろうか。 私はそう思っている。
さて、これで文化祭のクラス企画は一先ず落ち着いたわけであり、私はそろそろ例の件を彼に話しても良いだろうと算段を立てた。
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