遠く≠自由

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遠く≠自由

教授「まず、君は『此処』という『近く』を示し、そこに縛られるという表現で不自由さを説いたね?」 僕「ま、まぁ…はい。そうです」 教授「君には価値があるんだから、もっと自信を持ちなさい。続けよう。そして最後に、『近く』の対義語である『遠く』が自由であるという表現をしたわけだ」 僕「そうです」 教授「ではひとつ質問をしよう。『遠く』とはなんだろうか?」 僕「なん?なんだろうですか?」 教授「ふむ。少しかみ砕こう。君にとって『遠く』とはどれくらいだ?」 僕「え?えーと…100kmくらいですかね?…ははは」 教授「ふむ。君は『距離』で答えたか」 僕「距離ですか?」 教授「例えば、文面の表現では『遠い未来』と表現することもあるだろう?」 僕「あー。ありますね」 教授「つまり『遠く』の表現は『距離』に縛られないということだ」 僕「心理的な距離も物理的な距離じゃないって感じですか?」 教授「そうだな。少なくともメートルなどでは表現できないだろう。 君の言葉に合わせて例えると、接着剤が剥がれて物理的に『遠く』に行くことが出来たとしても、心が『此処』に縛られたままなら、果たして自由になれるのだろうか?海外へ行ったとしても心や頭の中が社会やお金のことばかりで支配されていたら、君の考える『自由』にはなれていないのではないか?  このようなことを考えていたら、先ほどの文章が少し気になってしまったんだ」 僕「だから『遠く』≒『自由』が気になるって言ったんですね」 教授「その通りだ」 僕「では、教授にとって『遠いい』とはなんなんですか?」
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