『遠いい』≒(距離+|手段|)×価値÷心

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『遠いい』≒(距離+|手段|)×価値÷心

教授「私は『遠いい』≒(距離+|手段|)×価値÷心だと考えている」 僕「…は?」 教授「私は、『遠いい』ニアイコール、括弧、距離プラス絶対値の手段、括弧閉じ、かける価値割る心だと考えている」 僕「賭ける勝ちワル心って字面が酷いですね」 教授「確かに。だが今はそういう話ではないな。まぁ。流石に飛躍し過ぎだとは思うが、あながち的外れな理論ではないと思っている」 僕「どう考えても大外れですよ…」 教授「ふむ。では、私の意見を言おう。まず、『遠いい』を表すのに最も適した表現は距離だ」 僕「さっき、『遠いい』はメートルでは表せないって言ってませんでしたか?」 教授「その通りだ。だが、判断の要素にはなりうる。そして、メートルで表せないといった理由は『|手段|』のところだ」 僕「『絶対値の手段』ですか?それがどうしたんですか?」 教授「手段とは移動手段のことだ。だが、移動するだけが手段ではないことは予想が付くか?」 僕「うーん…わかりません」 教授「簡単に言えば、『遠い未来』だ。『遠い未来』への移動手段はなんだ?」 僕「えっと…『待つこと』?」 教授「正解だ。だが、『想像すること』も移動手段になりうる。特に過去は待ってもたどり着けないからな。」 僕「たしかに、待ってても『遠い過去』にはいけませんね」 教授「その労力が手段だ。そして距離が遠ければその分が多くプラスされて『遠い』という表現になる。場所ならメートルで表せるが、時間の場合は秒や分、あるいは年月日で表すことになるな」 僕「では『×価値』はどういうことでしょうか?」 教授「そのままの意味だ。その場所やその物事、目的などに価値があればあるほど『遠く』なる」 僕「そうですかね?」 教授「例えばそうだな…これもまた君の考えを例にとるが、君は『自由』に価値があると考えてはいないかい?」 僕「はい。そりゃあもう…」 教授「君にとって価値があるということだろう。私にとっても価値あるものだ。しかし君が考えているより低いかもしれない。つまり、私の方が『自由に近い』ということだな」 僕「え!?そんな!ずるいですよ!」 教授「しかし、こうも考えられる。純粋に、君より私の自由に価値が無い可能性だ。例えば私は自由に家に帰り、自由に人と接して、自由に勉強をして、自由に仕事をしている。これらは全て君が『縛られる』と考えていたものだ。そう考えると、君にとって私は、十分に『縛られている』とさえ言える。それでもずるいかい?」 僕「…でも、自由なんですよね?」 教授「私にとっては。だよ。君の考える自由の価値とは違う。これが高ければ高いほど『遠いい』ということが言いたかったんだ」 僕「うーん…確かに、自由に働けたとしても大変そうだしなぁ…」 教授「話を戻そう。つまり、『価値』も『遠いい』を表現するのに必要な要素ということだ」 僕「では最後の心は?」
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