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ニ ン シ ン
意味を理解した途端、視界がぐにゃりと歪んだ気がした。
衝撃が大きすぎて言葉がでてこなかった。
代わりに大粒の涙が落ちて
彼は我に返ったように「ごめん」と呟いた。
もちろん、別れる、という選択をした。
ただその選択は、会社という小さなコミュニティの中では難しいものだった。
タイミング悪く同じプロジェクトに入り、彼のことをそう簡単に嫌いになれたわけでもなく。
彼も私との関係を戻そうと必死だった。
結局、なし崩し的に関係が戻ってしまった。
前と違うのは彼が前以上に優しくなったこと。
私を期待させるような言葉を吐かなくなったこと。
密会は週1から月1になったこと。
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