いきたいは、いけない

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 てくてく。  唐突に止まってしまった。偶然後ろを歩いていた人は舌打ちをして通り過ぎていく。今まではこんなことなかった。けれど、もう歩けない。歩き続けるための反抗心はたった今発生した諦めの前に消えてしまった。どうしようもないことなんだと思ってしまった。歩く距離が日々短くなっていることになんかもうとっくに気づいていた。それでも諦めようとは思わなかった、そのはずだ。けれど、どうしようもないと、無意識に近い領域が言ってしまった。気づきたくなかったのに、目をそらしていたかったのに。そんなところが言ったんじゃ、続けることなんてできやしない。 
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