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つきのうらまであとすこし
すると、ぼくの心情を察してか、いっしょに行動していた夫婦がこう話を切り出した。
望くん、君のほんとうのお父さんとお母さんは、月の裏宇宙基地にいるよ。
男性が言った。
あのう、今までだまっていてごめんなさい。周り、とくにロボットたちにバレたくなかったからだまっていたんだけど、私たちはあなたのご両親の友人なの。あなたの両親に代わって、あなたを施設まで迎えに行くはずだったんだけど、私たちが施設にかけ合っても、ずっとあなたを渡さないと言い張って大変だったのよ。
女性がすこし早口で言った。
そうしたら、ちょうど君が施設から抜け出してくれたから、ほんとタイミングがよかったよ。
男性は笑顔になってそうつぶやく。
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