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お星さまのお話
しょんぼりした私に、おばあちゃんは窓の外を見た。
「そうだねー、死んだ人はお星さまになると言うね」と星を見る。
「じゃあ、あのお星さまがママ?」
「そうかもしれないね」
窓の外を見た。
「近くに見えるよ」
パパと私んちと違って、おばあちゃんちは田舎で星が良く見える。
「手を伸ばしたら届きそう。」
裏庭の縁側に出て、手を伸ばす。
届きそうで届かない。
「届かないよー」
不満顔の私を背越しにそっと抱いて、耳元でささやく。
耳に息がかかる。
「おばあちゃん、くすぐったいよぉ」
嫌がってるのに、くすくす笑ってる。
もう、おばあちゃんの悪趣味。
でもこれは、スキンシップ。
不安顔も、くすくす笑い合ってたら、何処かに跳んで行った。
耳元でささやく声。
「お星様はね、見るより、ずっとずっと遠い。」
「でもとても近く強く光るんだ。眩しい光になって、
すぐ側で、お前を見ててくれる」
「じゃあ、あのお星さまのある所が天国?」
「そうかもしれないねー」
「お星さまがママ?」
思わず笑顔になると、おばあちゃんは私を見た。
「星花の名前の中には、お星さまが入ってるんだよ」
「えー??」
おばあちゃんは言う。
コッソリと内緒話みたいに、耳打ちした。
星花は笑った。
「うん、私もそう思う!」
「ほら、もう寝る時間だよ。電気を消すよ。
明日、パパに教えてやるんだろ?」
「うん、そうする。」
布団の中にもぐりこんだ途端、おばあちゃんは電気を消した。
「おやすみなさーい」
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