あの夏の日にもう一度

4/7

286人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 付き合うかどうかの返事もまだしてないのに、そんなこと言われてどう答えていいか分からない。 「結城、他に誰か好きな奴でもいるのか?」 課長が心配そうに私の顔を覗き込む。 私は無言で首を振った。 そんなの、いるわけない。 新入社員で配属されて、課長の下で働くうちに気づけばいつも課長のことを考えてた。 課長に褒められたくて、仕事も頑張ってきた。 だけど、本当に私なんかでいいの? その思いが私に返事をさせない。 「じゃあ、俺のこと嫌いか?」 私はまた無言で首を振る。 「じゃあ、付き合ってみてくれないか?」 私は無言で頷いた。 こうして、私たちは始まった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

286人が本棚に入れています
本棚に追加