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「まずは俺の腕を見てもらわねえとな、すぐできるから」
あるもので作った食事を並べはじめた。
カポッ、瓶を開け香を嗅いだ、レバーペーストは大丈夫、それをこんがり焼いたパンに塗った。
オーナーを抱き上げ椅子へ座らせようとした。
んーまだ低いな、そうだ、少々お待ちを。椅子を三つ重ねた。
「お客様、お待たせいたしました、こちらへどうぞ」
目を輝かせている。
「あなたは、魔法使いですか?」
「いえいえ、ただの料理人です」
並んだ皿には、野菜のスープとこんがり焼けたパンの上に香のいいレバーペーストが乗り、チコリが並んだ上には上品に最上級のキャビアとツナのフライがきれいに飾られていた。
「い、いただいてもよろしいのでしょうか?」
「どうぞ。私もよろしいでしょうか?」
前の席の背もたれに手を置いた。
「どうぞ、食事は人数が多い方がいいです、あの、ついでで申し訳ないのですが」
「はい、どうぞ?」
「そこの棚の一番上の物を取っていただけませんか?」
どう見ても、何年も開いていない棚を開けた。
口笛を吹いた。
凄い銘柄のワインが並ぶ、それを一本手にした。
「こりゃすごい、でもなんでこんな所にあるんだろ?」
「わかりません、たぶんお酒類はほとんど上にあると思います、何せ開けた事すらありませんから」
「それでは、飛びきりのを一本開けてよろしいですか?オーナー」
「はい、お願いします。うふふふ」
赤ワイン、グラスも下の方にあるのを二つ出した。
コルクがクッ、クッと良い音を出す。
ポン
トクトクトク
「香もいい」
「いいですね、それでは何に乾杯しましょう」
「俺たちの出会いってとこじゃないですか?」
「そうですね、それでは、えっと」
「あ、俺は、エリオット・ブルー、エルと呼ばれてました」
「私はここのオーナーのロイ・ハンコックです、ロイと呼んでください、よろしく」
「それでは、乾杯」
「おいしい食事に乾杯」
おいしい?
おいひいです。
「それはよかったです」
俺はワインを飲みながらロイの話を聞いた。
何とも不思議な話だな?
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