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 今まで何度もいつわりの恋愛をしてきたから、いつわりきれないこれが本物だと断言できる。  俺の『サービス』に全然反応してくれなくて、俺の『本心』にやっと気持ちを動かしてくれた彼女。  作り上げて後悔していない今の俺や、俺の生きかたを肯定してくれて。  初めて出会った四時間を、なんの抵抗もなく過ごさせてくれて。  まっすぐでおおらかな彼女と、また一緒に過ごしたい。 「俺のほうから葉月ちゃんの時間に予約を入れるのは、可能ですか」  フェアじゃないとせめられてもいい、立場を無視して問う。  彼女はほのかに嬉しそうに、目を細めた。 「可能です」 了
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