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Day3:Be Deep
目が覚めると深夜の2時だった。
冗談だろう…昨日あの後すぐに帰って寝たから合計で20時間近く寝たことになる。
いや、もしかしたら記憶が無いだけでほとんど眠れてないのかもしれない。それほどまでにショッキングな出来事だった。
低血圧な体を引きずり急いで家を出ようとする。しかし、力が入らない。ふらふらとした足取りで約束した橋へ向かう。急がないといけない。
彼女が待っている。
僕が行かなければ本当にひとりで死ぬ気なのだろうか?僕は行かないほうがいいのではないだろうか?そんな迷いや不安を振り切るように歩みを進めた。
いつもの倍近い時間をかけてようやく夜の橋にたどり着いた。
時計を確認する。
深夜4時。
彼女がどれくらい橋の上で待っているかわからない。体調不良で休みの電話なんてできない。
真っ暗で何も見えないつまらない人生だった。そんな暗闇の中に輝く花が咲いた。
それが自ら命を絶とうとしている。
止めないといけない。絶対に止めないといけない。彼女が苦しいと言っていても、見過ごすことはできない。
僕は走った。
体中の不調は全て考えないことにした。
考えることはただ一つ。
会いたい。
その一心でがむしゃらに走った。
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